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剥鱗あとがき

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※ストーリーに関わるネタバレがあります
※主題に関わる話はありません
※長い

 

 

▼タイトルの話

造語です。確認した際に「鱗剥作用」という語は見かけたんですが、字面通りの意ではなさそうなのでたぶん造語です。存在しない熟語をしれっと文に放り込む癖があって、組み合わせでなんとなく意味が通じるの、漢字のいいところだな~と常々思っています。

▼コンセプト

というほどのものではないんですが、大本は3-4年くらい前に書こうとした短編小説のネタのひとつでした。知人の主催するアンソロジーに寄稿するにあたり用意していたものです。被差別階級にあたる女性が、望まずに産んだ子供の身体的特徴によって信仰対象として祀り上げられる話。当時、露悪的な描写にせず書ききる自信がなくて断念したものでした。
それがずっと胸のつかえになっていて、今回、プラットフォームこそ変わったものの形にした、という流れでした。おかげで筋がNPC寄りになったところがあり、かつほぼ一本道なので、申し訳ないな……とは思いつつも、やりたいようにやりました。
嗜好や手癖とはまた別の意味で、自分の作るものの素にかなり近い傾向の話と認識しています。お付き合いくださってありがとうございました。

▼イラストについて

「白波に立つ子ら」で背景・NPCのイラストをお願いしていたせんさんに、今回も依頼を行っています。コミティア前、おそろしく忙しいだろう時期に持ちかけてしまい申し訳なかったのですが、白波と道具立てが近い話であるということもあって、どうしてもせんさんの絵がいいなあということで……。改めて、ありがとうございました。
キャラクターがどういうバックグラウンド・パーソナリティを持つ人物であるのか、それらが装いや表情のつくり方にどう出てくるのか、ということを汲み取ることに長けた方で、上げていただいたラフが初回からイメージ通りでうなったのを覚えています。相談をくり返す中で私自身も解像度を上げられたところがあり、描写を変更したシーンもありました。
NPCの少年については(一部シナリオ内で表示しましたが)差分をいただいているため、フォルダ内を見ていただけると嬉しいなあという気持ちがあります。

▼最後の選択肢について

選択肢の意味合いとしては二層で、「司教座に送るかどうか」「連れ込むかどうか」です。前者については、子供の道がどこまで行っても聖北教会の配下であることに悪感情を持たれる方もいらっしゃるかもなあということで用意したものでした。
後者はPLさんに任せるということで、宿へ、とするにも択を置いています。私自身NPCの連れ込みをまず行わないので迷いはしたのですが、リューンへ向かいながら冒険者という道がないのもな、というのと、今回イラストを描いていただいたということがあって、このような形にしています。選択による分岐はありませんし、今後それの存在するシナリオを作る予定はありません。
総じて、他人の選択の決定権がこちらにある(ように見える)ことの重みと、連れ込みというシステム上の見えかたを秤にかけて、どんな形になっていればいいのか悩んでああなっています。なんだか言い訳がましいな……。連れ込んだNPCについては、付属テキストにあるとおり自由に扱っていただければと思います(素材としての使用のみご遠慮ください)。

▼こぼれ話

ナイフの適性が合わない!というお言葉、複数拝見して笑ってしまいました。魔術師向きのPCに精神・正直適性は合いづらいだろうなあ。わざとです。冒頭で主役(魔術師)がナイフに触れようとして指を跳ねさせる描写があるように、魔術を扱う人だとあまり触れたくないと感じる類のものにしています。破魔のナイフなので……。精霊術師や聖職者の方が適正としては近いのではないかなと思います。

▼おわりに

思えば1時間強・一周できちんと終わるシナリオは久しぶりでした。遊んでくださった方、ご感想やFAをくださった方、拡散にご協力くださった方、改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。

2023/09/16

                               

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