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望潮あとがき

※シナリオ構造・ストーリーに関わるネタバレがあります
※長い

 

 

▼シリーズ化について

千と一夜の呪いの涯の」「顔泥棒と紛いのサーカス」「帳の魔女と墜つる星」、そして今回の「望潮に種を蒔く」を《知のけもの》シリーズとしてまとめました。好いてくださる方が探しやすいように、避けたい方が避けられるように、が主だった理由です。

Xでもお知らせした通り、あくまで過去作の整理のための括りであり、今後関連作が上がるのをお約束するものでないことはご寛恕いただけますと幸いです。興味があちこちに向くため、次になにを作りたくなるかが自分でもわからなくて…

一連のもの、いままで様々な形でプレイヤーのみなさんの体験と記憶のなかに残していただいていたこと、ありがたいことだなあと思っています。《知のけもの》シリーズとして、改めてよろしくお願いします。

▼チュートリアルについて

今回も固有システムなので、説明文が不必要に長くならないよう気を遣っています。セルで添えるだけにするとか、設定画面で似たものを触っておいてもらうとか(それを覚えているうちにシステム実践の場を置いて、導入はその後にするとか)。遊び方がわからなかった、という声は今のところいただいていないのですが、いかがでしょうか。

私が細かに説明する必要もなく、プレイヤーのみなさんは「触って把握する」ができる方々なのだろうと思っています。今年はそれを信じて、チュートリアルを削る・分散する、とにかく触ってみてもらう、ということを意識してものを作る場面が多かったです。

▼構成について

ここからシナリオの構造についてのネタバレがあります。プレイ体験を大きく損なうおそれがありますのでご注意ください。特にED5のみ見た、という方は、立ち止まっていただいた方が良いかもしれません。

やりたかったことはみっつです。

  • 最初から見えているのに最後まで開かない宝箱概念
    • 特に情報のない宿の荷物がある理由
  • プレイヤーの視界を離れる視点人物
  • EDのタイトル画像がないことによる引き

ひとつめはそのままなので、ふたつめから。視点人物が知らぬ間にプレイヤーの制御を離れている、という体験が好きで作った話でした。
盗賊がどのタイミングでなにを知っていたのか、は、二周目を最初から始めて、追加キーワードをあちこちにぶつけるとわかるかもしれません。それ以外にもいろいろな情報を(発話者のフィルターを通して)聞き込みに盛り込んでいます。

みっつめ、自分で言うのはダサい気もするのですが、タイトル画像を出さずに終わった一周目EDに、違和感を覚えてもらえたらいいな~と思っていました。そういう意味で、これまでシリーズ作を遊んでくださった方に目配せをした作でもあります。
一周目ED、効果音でBGMを止めて引くのは、地味に千呪のそれをなぞっています。物語自体も千呪のアンサーソングじみた話でした。砂漠に木を植える人、潮水に種を蒔こうとした人。涯のないもの、始まりもしないもの。

盗賊を視点にしたこともあり、過去作とは毛色の違うものとなりました。お付き合いいただきありがとうございました。

2023/12/18

                               

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